book report

ねたばれを考慮する余地がありません

好きで、好きで /安西リカ

好きで、好きで (ディアプラス文庫)

好きで、好きで (ディアプラス文庫)

ディアプラ装丁について「前の方が好きだった」て意見をちょいちょい見かけますが、 そだなー、わたしは別にもう5mmくらい背が縮んでくれればなんでもいいでーす!!!!

推薦帯に同意、ってツイートを多数みかけてなんだなんだと気になって読んでみたんですが わたしも推薦帯に同意です。
『一生やってろ、と心から言えます。だってほんとに一生やっててくれるだろうから。』
ウン一生この調子なんだろなって思いました。ってくらい、微笑ましくラブラブ熟年(比喩に非ず)カップルでした。
結ばれるまでを描かれるのがやっぱり一般的だから、こう、付き合いだしてかれこれ十年ってカップルのいざこざが物語本編にあると、新鮮ですね!どうしても脳内では出会いから付き合うまでをしっかり組み立ててるから、書き起こそうとするとどうしても書き飛ばしをしちゃって いきなりなんかの続編を読まされてる感じ~に  はなってなかったです。目立ったドラマ性のない、ゆっくりとした空気感は結構好きだ。
あと志方のキャラクターが好きだ。「馬鹿だな」がすごく好きだ。ふたりとも、狂いなく真っ直ぐだからこんなに好ましかったのか。すっきり、きれいで、優しいストーリーだと思いました。木下先生の水彩カラーが本当によく合う。カラー口絵は本当に素敵だった。物語を読みきってからあのイラストをもう一度眺めるとよりたまらない。じんとした底冷えと、それすらも忘れるじわじわ温かなふたりの心が伝わってきました。ほんと一生やってろ。